技術資料 気体編 9. |
気体用流量計のダンパ機構
金属管式面積流量計での気体測定をする場合は圧力損失による脈動流発生にともない
ハンチング現象を起こすおそれがあるため、流量計本体にダンパ機構を取り付ける事により
ハンチング現象を緩和し流量計の測定精度を保持します。
ダンパ機構には「液ダンパ機構」、「ガスダンパ機構」があります。
液ダンパ機構
下図の構造のように、流量計本体下部にダッシュポットを設けて内部にダンパ液を注入し
フロート桿に取り付けたダンパが、液中を上下動するときに液の粘性抵抗を利用して
脈動が発生してもフロートのハンチングを緩和して流量指示を安定させ精度確保と
耐久性を保持します。ダンパ液は「シリコンオイル」、「マシン油」、「グリセリン」等の適度な
粘性のある液体を用いて、配管に設置後にプラグから注入します。
(粘度100cP〜500cP程度の液のご使用が一般的です。)
特に低圧力ラインの気体の測定でも安定した測定が可能となります。
なお、スチーム測定の場合にも本機構を適用しますが、スチームではドレン化した水の中に
防錆剤等の異物が混入してダンパ作動に悪影響があるために、定期的にドレンプラグより
ダンパ液を排出してダンパ液の交換が必要になります。
また、通常操業しているかぎりダンパ液は配管2次側に流れ出すことはありませんが、メンテナンス
等によりダンパ液が配管内に流れ出すことは考えられますので、ダンパ液が配管内に入ると
問題が発生するよな気体、装置の場合は本機構はご使用になれません。
ガスダンパ機構
下図の構造のように、流量計本体内部にダンパを設けてフロートロッドに取り付けたダンパリング
が上下動するときにガスダンパ抵抗を利用して脈動が発生してもフロートのハンチングを緩和
して流量指示を安定させ精度確保と耐久性を保持します。
なお本機構は気体専用で液体、スチームには使用できません。また、化合物を生成しやすい
塩素ガスや異物の混入が予想されるラインではダンパ機構の作動に支障を起こし流量測定
が不能になる場合がありますのでお薦めいたしません。
製作適用材質はステンレスが主でライニング(PVC、ゴム等)材質、PVC等の樹脂材質では
製作いたしておりません。
ガスダンパ機構
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