技術資料 面積流量計編 10

       流量計の耐圧とは                                      戻る
 

面積流量計の最高使用圧力、耐圧(耐圧試験)について

流量計の仕様としてカタログなどに記載している、「最高使用圧力」、「最高使用温度」は言葉のとおり、使用の際に弊社(メーカ)が保証する、最高値として示しているものです。

耐圧とは「耐圧試験」ですから、実際の流量計に圧力を加えて、構造的、器械的強度に障害が無いことを確認した、その圧力を云います。

流量計の漏れ(リーク)の試験は、「気密試験」となり、「耐圧試験」とは区別されます。

これは、JIS B 7551:1999 フロート形面積流量計  12.2 性能試験方法 耐圧性によります。

12.2 耐圧性 最高使用圧力の1.5倍の水圧又は気圧を10分間加え、漏れ、変形などの異状の有無
を調べる

ただし、この「耐圧値」はユーザ様での使用を保証するものではありません。あくまでも、弊社(メーカ)
で、その圧力を加えて、構造的、器械的に障害が無かったことを確認しました、という圧力になります。


メーカとして使用を保証するのは、「最高使用圧力」になります。

また、「最高使用温度」との関係ですが、耐圧(耐圧試験)は最高使用温度でおこなうものでは無く
温度約20℃(季節により若干異なり一般的に水道水の温度になります)の水でおこないます。

これに対して、気密試験は温度約20℃(季節により若干異なり一般的にコンプレッサの空気温度)の
空気、もしくは窒素ガスで一般的に最高使用圧力の1.25倍の圧力で試験をおこないます。
もちろん、1.25倍の圧力を加えて、漏れ(リーク)が発生した流量計は不合格となり、弊社から出荷される
ことはありません。

JIS B 7551:1999 フロート形面積流量計  12.性能試験方法

12.3 気密性 空気又は窒素を用いて最高使用圧力以上の圧力を5分間加え、漏れの有無を調べる。

また、気密試験も、その圧力(値)をユーザ様が指定された場合は、弊社はその圧力(値)で試験をおこないますが、たとえ漏れ(リーク)が発生したとしても、「不合格」となりますが、指定された圧力での結果は結果となります。

通常は耐圧試験をおこなった後に、気密試験をおこないます。

また、耐圧試験と気密試験を兼ねて、最高使用圧力の1.5倍、温度約20℃(いわゆる常温)の空気圧、窒素ガスで試験をして、構造、器械的強度、気密性を確認する場合もあります。

以上のように、弊社(メーカ)が保証するのは、「最高使用圧力」、「最高使用温度」であり
耐圧(耐圧試験)、耐温(耐温度試験)とは、ユーザ様と弊社との間において、圧力、温度の試験値
を取り決めて、おこなう内容になります。ユーザ様から、その値の指定が無い場合は、一般的に使用されている、耐圧(耐圧試験)は最高使用圧力の1.5倍の水圧、気密試験は1.25倍の空気圧、窒素圧でおこなうことになります。

よって、カタログなどでは、「最高使用圧力」、「最高使用温度」の仕様の記載はしますが、耐圧、耐温度
の記載はおこなっておらず、「耐圧」、「耐温度」に関してはユーザ様と弊社との間で取り交わす
「仕様書」に記載される値になります。

耐圧試験、気密試験をおこなった場合は、試験成績書に結果が記載されることになります。

本内容は面積流量計に適用しますが、他の型式の流量計では内容が異なる場合があります。

なお、旧カタログで耐圧値が記載されているものがありますが、現在発行しているカタログでは
耐圧の記載はおこなっておりません。
 


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