技術資料 面積流量計編 7
気体の目盛設定圧力と目盛設定温度 面積流量計の気体用では多くがノルマル流量で表示されています。 このノルマル流量は温度 0℃、圧力 1atm(大気圧)の状態の流量を目盛に表示しています。 例えば流体圧力100kPa(G)、流体温度20℃で最大目盛100m3/h(ntp)の面積流量計では 使用状態が100kPa(G)、20℃で流れている時のAIRは2.394kg/m3の密度で流れていますが 目盛のm3/h(ntp)とはノルマル表示と云って 1atm=0kPa(G)、0℃ 1.293kg/m3の密度 に換算した状態での1時間あたりの m3 体積瞬時流量で表示しています。 よって、流れている状態の圧力と温度は必ず100kPa(G)、20℃でなければなりません。 この使用状態の100kPa(G)、20℃を「目盛設定圧力」、「目盛設定温度」と呼びます。 流れている実際の圧力と温度がこの目盛設定圧力、目盛設定温度と異なる場合には 指示した流量値に誤差を生じます。 よって、ノルマル流量で表示された気体の流量計では圧力・温度は必ず目盛に記載 された圧力・温度でご使用ください。 ノルマル流量表示に対してオペレーション流量表示の場合は目盛設定圧力、目盛設定温度 に関係なく指示した流量値に誤差は生じません。 |
液体の目盛設定圧力と目盛設定温度 液体の場合は気体のように圧力による密度変化はほとんど無いので圧力が変化 しても流量値に影響はありません。 温度の影響は密度の変化よりも粘度の変化が大きく影響しますが気体ほどの影響 はありません。 ただし、油のような元々粘度が高い液体では温度による粘度変化により流量値 が大きく変わりますので温度は目盛設定温度で使用するようにしてください。 流量計製作時の設計仕様の粘度で試験した流量計で実際の使用時に温度が変化して 流れている流体の粘度が製作時と異なると、流量誤差が発生します。 この時の粘度の差が大きいほど流量誤差は大きくなります。 |