流量計の 積算パルス 及び 瞬時比例パルス とは
積算パルス
流量計の出力で 10L/Pulse とか 1Pulseあたり10L とか Pulse/L
とかの積算値を表現することを
積算パルスと呼んでいます。
面積流量計の場合に最大流量値が 2000L/h として 1Pulseあたり 10L の 積算パルスを出力する仕様の流量計を例にすると、瞬時流量が 1000L/h で 一定に流れている場合では 1000÷10=100 、と 1時間に100 Pulse 出力します。 1時間に100 Pulse 出力するとは 3600÷100=36 、と36sec に1回パルスを出力します。 また、瞬時流量が 500L/h で一定に流れている場合では 500÷10=50 、と 1時間 に50 Pulse 出力します。 1時間に50 Pulse 出力するとは 3600÷50=72 、と 72sec に1回パルスを出力します。 1Pulseあたり 10L の積算パルスは 10L/Pulse ですが、これは 0.1 Pulse/L と同じです。 流量計に積算カウンタが付属している場合は、その積算値と同期して出力されることが多く この場合は積算表示と同期した積算パルスと呼ぶことになります。 |
|
瞬時比例パルス
流量計の出力で 最大流量時 1000Hz とか 2000Hz とかの瞬時流量値をパルス表現することを
瞬時比例パルスと呼んでいます。
タービン流量計やパドル流量計などの場合に最大流量値が 2000L/h として 最大流量時 1000Hz パルスを出力する仕様の流量計を例にすると、下の図のような瞬時流量に比例したパルス出力となります。 このパルスは流量の積算として用いるのではなく、瞬時流量をパルス(Hz)として出力して以降の各種制御に用います。もちろん、このパルス(Hz)を分周すれば積算パルスにもなりますが、 そのままでは積算パルスとしては利用することはできません。 このパルスの呼び方はさまざまあり、「 瞬時パルス 」 、「 瞬時比例パルス 」 、「 瞬時流量比例パルス 」 、「 流量同期パルス 」、「 同期パルス 」 、「 センサ同期パルス 」 , 「Rate Pulse」 、 「Scaled Pulse」 などですが、上の「積算パルス」と混同すると使用できないことが発生しますので充分ご注意ください。 流量計業界でも、呼び方が色々存在していますが、積算パルスなのか瞬時比例パスルなのか、仕様が不明な場合は製造元に確認することをお薦めいたします。 タービン流量計、パドル流量計 などのように羽根車の回転を流量に変換している型式では、羽根車そのものの出力は 1000 とか 2000 とかの整数値にならず、754 とか 1863 とかの端数になっています。 羽根車の回転またはギヤー、ピストンなのど回転で流量を計測するタイプの流量計ではパルスの重みという表現をする場合があります。 例えば最大計測可能流量時に 30Hz のパルスが出力されるとして、その時のパルスの重み(パルス定数とも呼ぶ)が 0.0185185185 L/Pulse の流量計を例にすると。 30Hzとは1秒間に 30Pulse の出力であるから 30×3600 = 108000 Pulse/h 1時間に 108000 Pulse 出力されることになります。 よって 108000×0.0185185185 = 2000 L/h となり、1時間あたり2000L 流れることになります。 つまり、瞬時流量に換算すると 2000L/h 流れているときに、30Hzのパルス出力をする流量計のパルスの重み(パルス定数)は 0.0185185185 L/Pulse ということになります。 このパルスの重みを K ファクタ とか パルス係数 パルス定数 パルス常数 などと呼ぶこともあります。 最大周波数(Hz)=最大流量(L/h)/3600÷パルスの重み(L/Pulse) さらに 1÷0.0185185185 = 54 Pulse/L となり、この流量計は 1L 流れると 54 Pulse 出力されます。 上で述べた「パルスの重み」の用語はメーカ、流量計モデルなどによって、さまざまな用語が用いられているので、それぞれの製品の仕様書などで確認されることをお薦めいたします。 通常はパルス変換器によって整数値にして出力しますが、センサの回転数をパルスにしただけの出力を「センサ同期パルス」、「 Un Scaled Pulse 」、「ノンスケールドパルス」 などと呼ぶ場合があります。 いずれにしても、このタイプのパルスはそのままでは積算パルスとしては利用できませんのでご注意ください。 |
|