技術資料 配管用鋼管の種類

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弊社で製造する流量計に多く用いる鋼管の種類を記載します。

1.配管用ステンレス鋼管 JIS G 3459

1−1 種類の記号 SUS304TP、SUS304LTP
SUS316TP、SUS316LTP
1−2 製造方法を表す記号 −S−H 熱間仕上継目無鋼管
−S−C 冷間仕上継目無鋼管
−A    自動アーク溶接鋼管
−A−C 冷間仕上自動アーク溶接鋼管
−L    レーザー溶接鋼管
−L−C 冷間仕上レーザー溶接鋼管
−E−C 冷間仕上電気抵抗溶接鋼管
1−3 寸法 50A×Sch20S 等
口径は6Aから650Aまであり
Sch5S、10S、20S は6A〜300A
Sch40、80 は6A〜650A
Sch120 は100A〜650A
Sch160 は15A〜650A

表記例: SUS304TP −S−C 50A×Sch20S
説明1:  JISによる正式表記は
       1−1 種類の記号 1−2 製造方法を表す記号 1−3 寸法 の順に記載します。
説明2: 1−2の製造方法を表す記号は、いわゆる「シームレス管」、「溶接管」を区別するもので
      一般用途の場合は−A か −L の溶接管を使用し、シームレス指定の場合は
      −S−H か−S−C を使用します。
      一般的に「シームレス管」はコスト高になります。
      特別用途の場合は詳細に記号指定することになります。
説明3: 1−3の寸法は口径/サイズ スケジュール番号と呼ぶ、材質厚さを記載します。
      JISのスケジュール番号で気をつけなければならないのはJIS G 3459 では 
      Sch5S、Sch10S、Sch20S、Sch40、Sch80、Sch120、Sch160
      がありますが、5S、10S、20S だけに S が付くことです。
      (なお、このSは製造方法の継目無鋼管を表すものではないのでご注意下さい。)


2.配管用溶接大径ステンレス鋼管 JIS G 3468

1−1 種類の記号 SUS304TPY、SUS304LTPY
SUS316TPY、SUS316LTPY
1−2 製造方法を表す記号 −A    自動アーク溶接鋼管
−L    レーザー溶接鋼管
1−3 寸法 500A×Sch10S 等
口径は150Aから1000Aまであり
Sch5S は150A〜750A
Sch10S、20S、40 は150A〜1000A

表記例: SUS304TPY −A 500A×Sch10S
説明1:  JISによる正式表記は
       1−1 種類の記号 1−2 製造方法を表す記号 1−3 寸法 の順に記載します。
説明2: 1−2の製造方法を表す記号は、いわゆる溶接の加工方法を示すもので
      −A か −L の溶接管を使用します。また、シームレス管はありません。
説明3: 1−3の寸法は口径/サイズ スケジュール番号と呼ぶ、材質厚さを記載します。
      JISのスケジュール番号で気をつけなければならないのはJIS G 3468 では 
      Sch5S、Sch10S、Sch20S、Sch40
      がありますが、5S、10S、20S だけに S が付くことです。
      (なお、このSは製造方法の継目無鋼管を表すものではないのでご注意下さい。)


3.配管用炭素鋼鋼管 JIS G 3452

1−1 種類の記号 SGP
1−2 製造方法 鍛接又は電気抵抗溶接
−E−G 熱間/冷間仕上以外の電気抵抗溶接鋼管
−E−H 熱間仕上電気抵抗溶接鋼管
−E−C 冷間仕上電気抵抗溶接鋼管
−B    鍛接鋼管
1−3 寸法 口径は6Aから500Aまであります。

表記例: SGP −E−H 50A
説明1:  JISによる正式表記は
       1−1 種類の記号 1−3 寸法 の順に記載します。
説明2: 1−2の製造方法を表す記号は接合方法を表しますが、鍛接、電気抵抗溶接
       を区別する記号です。なお、シームレス管(継目無管)はありません。
説明3: 1−3の寸法は口径を記載します。
      厚さは1種類のみです。
説明4: 外観にて「黒管」と呼ぶ表面処理無しのものと、「白管」とよぶ亜鉛メッキしたものが
      ありますが、流量計に用いる場合は加工/溶接を行うために「黒管」を用いて
      加工後に塗装仕上げをします。

 

4.圧力配管用炭素鋼鋼管 JIS G 3454

1−1 種類の記号 STPG370
STPG410
1−2 製造方法を表す記号 −S−H 熱間仕上継目無鋼管
−S−C 冷間仕上継目無鋼管
−E−G 熱間/冷間仕上以外の電気抵抗溶接鋼管
−E−H 熱間仕上電気抵抗溶接鋼管
−E−C 冷間仕上電気抵抗溶接鋼管
1−3 寸法 50A×Sch40 等
口径は6Aから650Aまであります。

表記例: STPG370 −S−H 100A×Sch40
説明1:  JISによる正式表記は
       1−1 種類の記号 1−2 製造方法を表す記号 1−3 寸法 の順に記載します。
説明2: 1−2の製造方法を表す記号は、いわゆる「シームレス管」、「溶接管」を区別するもので
      一般用途の場合は−E−H か −E−C の溶接管を使用し、シームレス指定の場合は
      −S−H か−S−C を使用します。
      一般的に「シームレス管」はコスト高になります
      特別用途の場合は詳細に記号指定することになります。
説明3: 1−3の寸法は口径/サイズ スケジュール番号と呼ぶ、材質厚さを記載します。
      JISのスケジュール番号で気をつけなければならないのはJIS G 3454 では 
      Sch10、Sch20、Sch30、Sch40、Sch60、Sch80
      がありますが、6A〜650Aのすべてにスケジュール番号の厚さが揃っていないことです。


5.高圧配管用炭素鋼鋼管 JIS G 3455

1−1 種類の記号 STS370
STS410
STS480
1−2 製造方法を表す記号 キルド鋼を用いて継目無く製造する。
−S−H 熱間仕上継目無鋼管
−S−C 冷間仕上継目無鋼管
1−3 寸法 100A×Sch40 等
口径は6Aから650Aまであります。

表記例: STS370 −S−H 100A×Sch40
説明1:  JISによる正式表記は
       1−1 種類の記号 1−2 製造方法を表す記号 1−3 寸法 の順に記載します。
説明2: 1−2の製造方法を表す記号は、いわゆるシームレス管で一般用途の場合は
      −S−H を使用します。
説明3: 1−3の寸法は口径/サイズ スケジュール番号と呼ぶ、材質厚さを記載します。


6.高温配管用炭素鋼鋼管 JIS G 3456

1−1 種類の記号 STPT370
STPT410
STPT480
1−2 製造方法を表す記号 −S−H 熱間仕上継目無鋼管
−S−C 冷間仕上継目無鋼管
−E−G 熱間/冷間仕上以外の電気抵抗溶接鋼管
−E−H 熱間仕上電気抵抗溶接鋼管
−E−C 冷間仕上電気抵抗溶接鋼管
1−3 寸法 100A×Sch40 等
口径は6Aから650Aまであります。

表記例: STPT370 −E−H 100A×Sch40
説明1:  JISによる正式表記は
       1−1 種類の記号 1−2 製造方法を表す記号 1−3 寸法 の順に記載します。
説明2: 1−2の製造方法を表す記号は、いわゆる「シームレス管」、「溶接管」を区別するもので
      一般用途の場合は−E−H か −E−C の溶接管を使用し、シームレス指定の場合は
      −S−H か−S−C を使用します。
      特別用途の場合は詳細に記号指定することになります。
説明3: 1−3の寸法は口径/サイズ スケジュール番号と呼ぶ、材質厚さを記載します。

スケジュール番号とは?
 管の寸法は、外径ごとに数種の組み合わせが規定されています。この組み合わせは
Barlowの式を管の厚さ許容差、 腐れ代を考慮して変形し<使用圧力>と<使用温度での許容応力>
の比をパラメータとして得られた外径、 肉厚の組み合わせ方式です。
これをスケジュール番号と称し、同一スケジュール番号に属するどの外径、 肉厚の管も
同じ圧力、温度条件に適合するようになっていますので、設計等に大体の目安を付ける上で
有用と考えられます。


スケジュール番号の成り立ち
 米国で採用しているスケジュール番号方式をそのまま採用しています。
スケジュール番号は、ある使用圧力に対し適した外径−肉厚のグループを表すもので
この考えのもとには、アメリカ機械学会(ASME)のボイラー規則で使っている
Barlowの式が使われています。



流量計材質指定の場合のお願い

流量計の材質を指定する場合に鋼管部分を「シームレス管」、「溶接管」と指定がある場合は
可能な限りJIS記号にて表記をお願いいたします。
特に「差圧流量計」の場合は1次側配管内径に合わせて流量計を設計製作しますので
配管の「種類の記号」、「製造方法を表す記号」「寸法」をご指示ください。



 

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